可分債務を具体的なケースでお話し致します。
=ケース1=(相続人は兄妹2人)
相続財産は、自宅(3000万円)アパート(8000万円)
アパート建築の借入金(5000万円)預貯金(1000万円)
相続財産7000万円。
兄は、被相続人の母と自宅で生活していました。
弟は、身体が弱く定職につけない状況ですが鬼とは別居。
母は、この弟を心配し働かなくても生きていける様にと
「アパートと借入金全額は弟に相続させる」と”部分遺言”を
残されていました。兄は母の思いを理解し自宅は兄、アパート
は母の遺言通り弟、預貯金は平等に500万ずつで兄弟合意を
しました。 ここまでは順調です。 しかし・・・
借入先の銀行にその旨を相談に行ったところ銀行はNG!
「お兄さんに法定相続割合通り、1500万円の債務負担してほしい!」
遺言書があったとしても借入先の銀行の関与なしに作成された遺言書
なので銀行は法定相続分に応じた額を相続人に請求することができる
ので折角の母の思い・争わずに合意した遺産分割も台無しになり
遺産分割をやり直すこととになりました。
遺言書を残しておくと思い通りと思ってしまいますがこのケースの様に
なってしまう事もあるので可分債務のある遺言書は気を付けなければ
なりません。
続)可分債務(相続はじめの一歩その21)